ところざわ倶楽部          投稿作品       エッセイ&オピニオン

   ≪一寸庵閑話≫       

           
「国旗が語りかける」
           
                                                      
2022 -5-7  記 ケン・シェイクスビア   

 

▼今年の224日のロシア侵攻以来、ウクライナは忘れられない国になりました。せいぜい美しい首都キエフの名前やチェルノブイリ事故や映画『ひまわり』のロケ地がウクライナだったことぐらいしか私は知らなかった国です。人口約4500万人、広さは日本の1.6倍、首都キーウ、ゼレンスキー大統領そしてブルーとイエローの国旗。それは青空と豊かなウクライナの小麦畑を表していることを今私は知っています。一茶の俳句の本歌取りで『ウクライナ負けるな我らこれにあり』と川柳を・・・。



▼堀田善衛の名著『インドで考えたこと』(1957年刊 岩波新書)は『その歩みがのろかろうがなんだろうが、アジアは、生きたい、生きたい、と叫んでいるのだ。西欧は死にたくない、死にたくない、と云っている。』で結ばれています。

また、『無慈悲な自然から思想が生まれた』の章で堀田は『太陽は敵だ。このあたりではものを育てる母なる太陽ではなくて、一切の生き物を灼き枯らす兇悪な敵ではないか、と思われる。』『月がのぼってくると(中略)昼間は打ちのめされて、夜は同じ天空に救われて、これが永遠に持続するのである。』『月は、ひたすらに美しくて、しかも無害なのだ。』と書きます。

インド国旗はサフラン色のヒンズー教と緑色のイスラム教、中央に仏教の法輪を示しています。(別の説明もあります)

2013年2月インドを旅行。タージマハルに感動。焼き立てのナンを食べながら飲んだビールは最高でした!



▼国旗に『月と星』が描かれているのはイスラム教を国教とする国です。たとえば、トルコ、パキスタン、ウズベキスタン。2018年6月親日国トルコへ。早朝から15回聞こえる信仰の時間を告げる『ナザーン』の声に感動。エフェソスの遺跡、トロイの遺跡にも感動。ドーハで乗り継ぎ便に乗り遅れて宿泊した5つ星ホテルでロブスター食べながら飲んだビール!『乗り遅れてよかった!』とケアマネと乾杯しましたっけ。 




▼南半球の国には『南十字星』を描いた国旗があります。ニュージーランド、オーストラリア、ブラジルなどです。ニュージーランドははっきり4つの星、南十字星が描かれています。20175月にはじめて南半球へ。新緑の鮮やかな日本から10時間半。そこは太陽が北の空を周り、紅葉の美しい景観が迎えてくれました。テカポのホテルから山頂の天文台へ。気温7度。防寒着を着て熱いココアを飲みながら満天の星空、南十字星を見上げます。『来てよかった!』天文台の望遠鏡で生まれて初めて木星の縞模様、土星の環、月のゴロゴロした表面を鑑賞しました。3万円のオプションでしたが『ヨッシャー!』。フェアウェルパーテイで親しくなったメンバーとでかいサーモンでビールを飲みながら語り合いました。




▼少し左に寄った十字架をスカンディナビア・クロスといい、北欧諸国の国旗です。アイスランド、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、ノルウェーです。
デンマークは世界一古い国旗の一つとか。私は初めてのヨーロッパへの旅でスウェーデンのストックホルムに9月の一日、秋の日差しを惜しむように日向ぼっこする人々の姿が印象に残り、森のなかのフィンランドのヘルシンキ空港から帰国しました。



▼世界の国旗はネパール以外はすべて長方形です。


太陽を描く国は日本、アルゼンチン、台湾、カザフスタンなどです。青、白、赤の縦のフランス、横長の白、青、赤を縦に並べたロシアなど国旗を見てると飽きません。ウクライナに1日も早く平和が来ることを願っています。  (完)