ところざわ倶楽部          投稿作品       エッセイ&オピニオン

 ≪一寸庵閑話≫  

     
     6年ぶりの金沢でカニを・・・ 

           
下り坂の人生をたのしむ 
       
    
                                                      
2021 -12-04  記 ケン・シェイクスビア   

 


▼6年ぶりに金沢へ

 10月のある日「もうすぐカニの解禁日だねえ。金沢にカニを・・・」と私が云うと「そうねえ。この前行ったのはいつだったかしら・・・」とうちの秘書兼ケアマネ兼添乗員。数日後、旅行プランを見ながら「ホテルが・・・」と。6年前、金沢で泊まった金沢都ホテルは壊され、再開発計画がコロナ禍もあって進展しないらしい。2年前ヨーロッパへ『平成卒業海外旅行』を実施した際にアントワープやウイーンで素泊まりプランを提案して、大変気に入った旅行にしてくれた『第2添乗員』に善後策を依頼。そして提案された兼六園近くの一軒家(古民家をリニューアル)に素泊まりすることに決め、私が3人分の旅費を出せば何も問題なく「みんな幸せよ。口は出さない。お金を出しなさい』と・・・。



   
金沢城の紅葉                      兼六園の雪吊り



▼スマホのマップは使わない

 私も今年からスマホをデビューしましたが、マップはあまり使いませんでした。ひとり兼六園の近くで和服の2人づれの金沢の『おばちゃま』に「香林坊は?」と尋くと「この道をどんどん降りて行って交差点を左側の道を行きなさい」「バスは?」「私たち金沢人なら歩きますよ」。南町で白髪のおじいさんに「尾山神社は?」「この道を戻って広い道に出たら左に200メートルぐらい行きなさい」「戻らずこっち行っちゃだめ?」「だめ」。夜9時過ぎ、兼六園下のお土産屋さんで「すみませんが、ちょっとお尋ねしたいのですが」「ハーイ」と若い奥さんとおばあさんが奥から出てきました。『お休み中のところすみませんが小将町は?』奥さんは道まで出てきて「ハイ、この交差点をまっすぐ。工事現場の前通ってね」「10分ぐらい?」「いやいや5分ね」私はじっと聞いていたおばあさんにも笑顔で会釈して、旅館へ歩き出しました。
 こんな土地の人たちとの会話こそ旅のたのしみであり、マップでは絶対得られません。



   



▼ところざわ倶楽部のHP23520151128日)に開通したばかりの北陸新幹線で金沢へ行って、名所を巡りカニも鮨も治部煮など加賀料理もおでんも酒も素晴らしかったことを、また7年前HP196では金沢の後、勧進帳の安宅関への旅を書きました。今回は『カニ』です。市内の兼六園、金沢城、武家屋敷町、茶屋街などは各自で一応見学。前田利家を祀る「尾山神社」は前に鳥居、後ろに神門があり1875年に竣工。避雷針は日本最古のもの。冬の北陸は晴れから雨、霰、雷と天候は急変します。
 私の好きな嵐山光三郎の『下り坂の人生をたのしもう』に共感して、コロナ禍を忘れ数日間たのしみ、ストレスを発散しました。




尾山神社



▼金沢赤玉のおでんは美味しかったですが、うちの女将のおでんもなかなか捨てたものじゃないなあと、ひとり晩酌しながら・・・。 (完)