ところざわ倶楽部          投稿作品       エッセイ&オピニオン



コロナウイルス報道から思う


                        2020-4-15 記 森野 辰夫

   
 

①「排他ではなく共生社会を」

社会はトランプ政権の自国第一主義宣言を期に、世界は分断・排他主義が横行し、共生・協調社会は大きく崩れてしまった感があります。

*今回のコロナウイルスではどうでしょう。初期の段階、各国は武漢にチャーター機を向け、自国の人々を引き上げ、その後は、武漢に滞在した人々の入国を拒否しました。

武漢の住民はどうすればよいのか、マスクの取り合いをし、病院にも入れない多くの人々がいました。日本のマスコミは何処の国が何人感染した、今日は死亡者が何人出た、このような情報を追いかけるだけでした。。援助の声は聞かれませんでした。

*そして今、感染は全世界に広まり、人類の危機とまで言われています。 国連はコロナウイルス感染症(COVID-19)が全世界的に広がるなか三月末漸く各国へ協力呼び掛けました。

しかし、アメリカ・トランプ氏は、コロナ禍は中国がもたらしといい、Chinese Coronaと呼んでいます。 一方中国はこの菌はアメリカが拡散させたと、互いにいがみあっています。

また、ヨーロッパ、アメリカではマスク輸入中に、途中中継地で他国に奪われる等の事件も発生しているということです。

今こそ各国が協力し拡散の根を断つことが重要ではないのか。このような時こそ世界が一つになるチャンスかもしれない。

排他主義では人は幸せになれない。互いに協力・信頼関係があるときこそ幸せを感じるのではないでしょうか。

先日、世界的歴史学者・哲学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏(2020年3月15日付アメリカ  TIME誌に「人類はコロナウイルスといかに闘うべきか――今こそグローバルな信頼と団結を(原題:In the Battle Against Coronavirus, Humanity Lacks Leadership)」の記事をみました。内容は14世紀のペストの流行から始まり、エイズ、エボラ等の感染症との闘いを挙げ、感染症の大流行への本当の対抗手段は、分離ではなく協力なのだ。と言っています。下記のサイトに日本語訳が掲載されています。  http://web.kawade.co.jp/bungei/3455/


②日本の良心を示す時

先日の新聞に中国人の呟きが載っていました「日本人は自主規制といわれるだけで、なぜ自ら店を閉めたり、操業を停止するのだろう」と。今回の各国の対応は様々です。警察の監視や、外出に対する罰金などで対応している国もあります。多くの国は日本の自主規制は強制力が無いと“日本の非常事態宣言”を批判しています。

日本には他人を思い、弱者に対する思いやりの精神が脈々と受け継がれています。強権ではなく一人一人の自律心と民主的手段によって、今の危機を乗り切った時、世界は日本人の精神の素晴らしさを認めざるお得ないのではないでしょうか。今はそんな日本の自律心を試されているのかも知れないと思っています。

以上 



ユヴァル・ノア・ハラリ氏記事

2020年3月15日「TIME」より


 〔クリックすると記事を開くことができます〕